イヤミス:後味が悪く、裏切られたような嫌な気持ちになりそれを引きずるミステリー作品の事。小説から派生した言葉。「イヤミス」のミスはミステリーのミス。
本だけに限らず、映画でもこの手の作品は多くあり、今回は、私が勝手に韓国映画の中からイヤミス映画を4作品ご紹介いたします。なお、バイオレンス的なものがあまり強くない、ミステリーものを選んだつもりですので、ジャンルとしてはノワール、暴力、スプリットのイメージが強くないものを選んでみました。
おススメ、イヤミス韓国映画4作品
- 殺人者の記憶法
- 犯人は生首に聞け
- 母なる証明
- パラサイト
殺人者の記憶法 簡単なあらすじとポイント
私が何度も見返して好きな作品「殺人者の記憶法」韓国語タイトル「살인자의 기억법」(日本語と同じ意味です)
<あらすじ>自分が過去に殺人を犯していてそれを秘密に生活していた主人公ビョンスが、年月が経つにつれて記憶が消えたり、思い出したりするようになった。病院ではアルツハイマーの発症と言われた男が、年頃の娘と2人で暮らし、何とか仕事もしていた。ある時、ビョンスは車同士の接触事故にあう、その時相手の車のトランクから血が垂れていることに気付き、そして、車から降りてきた若い男と顔を合わせた時に、『同じだ、こいつは俺と同じ人間だ、殺人者だ…』と、気が付いた。同じく、相手の若い男も何か気が付いたようだった。過去の殺人者が、現在の殺人者と出会った時、お互いの事を知られたらと思い、それぞれ行動を起こす2人。ビョンスの記憶はいつ消えて、戻るのか、娘は父ビョンスのアルツハイマーを心配して一緒に暮らしているが…真実も知らずに…。
<ポイント>殺人者VS殺人者 なんて普通思いつかない💦💦この映画のポイントは、エンディングにモヤモヤする、謎な終わりをところです。でも、そのモヤモヤにも、ちゃんと解答があって、なんと!この作品は、違うエンディングが用意されており、2つのストーリーがあるんです。
なので、初めは「殺人者の記憶法」を見て、そのあとに「殺人者の記憶法 新しい記憶」を見る事をお勧めします!エンディング以外のストーリーはほぼ変わらずなので、1つ目を見てからちょっと間をあけてから見た方が良いと思います!どちらのエンディングが好きか、好みが分かれると思いますが、私は新しい記憶の方を見て、なぜだか定期的にまた見たくなる映画の1つです。
犯人は生首に聞け 簡単なあらすじとポイント
ホラー少し含み、ゾワゾワする「犯人は生首に聞け」韓国語タイトル「해빙」「解氷」の意味
<あらすじ>ソウルで開業医となるはずだった主人公スンフンは離婚して田舎の病院で働いていました。その町は連続殺人が起こりニュースに出ている町でした。スンフンは、精肉店が1階にあり、その上のアパートを借りて住んでいました。精肉店が1階にあるため度々挨拶したり、少し会話する関係でした。この精肉店では、認知症の父親(以下オジサン)と、息子、息子の再婚した嫁、そして、子供(前妻との高校息子)が住んでいました。スンフンは病院の仕事を無難にこなしていましたが、ある日、内視鏡検査をしたいと肉屋のオジサンが嫁に連れられてきました。麻酔をして検査をしている時に無意識にオジサンは「死体を川に捨てた…頭は冷蔵庫にまだある…」とつぶやいていました。それを聞いた日からスンフンは、肉屋を通るたびになにかソワソワしたのでした。「冷蔵庫の中には…まだ頭が?…そんなまさか⁈」 それから何故か、肉屋の息子もスンフンの家に訪れるようになります。まるで何かを伺っているかの様に…。この町で起きている連続殺人の犯人とは…?
<ポイント>精肉店が怪しすぎる!!気味が悪い感じが上手く作られています。スンフンに家に入りたがる肉屋の息子が、本当に嫌だw私だったら、玄関開けないw スンフンの「もしかしたら?こいつらは…」と言う考えが自分の頭の中でどんどん大きくなっていって、関わらないのが良いのに、真実を確かめたくなる?ん~…わかるような、わからないような…wそして、エンディング(オチ)を…最後までちゃんと見る事ですね。
邦画タイトルが、「犯人は生首に聞け」ですが、韓国語タイトルの「解氷」が、ストーリーをうまくまとめていてこっちのタイトルの方が良いと思うんですけどね…。個人的に…。
私は、日本語字幕で見たんですが、韓国人旦那さんは韓国語音声で見て、見た後に話をしたら内容、解釈にちょっと違うことがわかりました。やっぱり、字幕だと少し違うんだな、っと思いました。
この映画は、TSUTAYAにはありませんでした。(2020年夏) なので、私はyoutube でレンタルでみました。youtubuだと、視聴開始から48時間再生可能です。1800ウォン(約180円) 変更があるかもしれないので確認してください。
母なる証明 簡単なあらすじとポイント
ポン・ジュノ監督の作品の「母なる証明」韓国語タイトルは「마더」motherの韓国語読みです。
<あらすじ>女手1つで知的障害の28歳の息子トジュン(ウォン・ビン)の世話を生きがいにしながら薬草や鍼治療の仕事をしてひっそりと暮らしていた母。息子トジュンには障害がある事に負けないように、「馬鹿にされたらやり返せ!」と教えていた。ある日の夜トジュンが酒を飲み帰宅途中に女子学生が歩いてるのを見かけた。その翌日、その女子学生が死体で見つかり目撃証言からトジュンが逮捕されてしまう。息子の逮捕にショックを受けた母親が、無実を証明する為に自分で捜査を始める。すると殺された女子学生は援助交際をしていたことがわかり、殺害理由が他にもありそうだと思った母は、「やはり純粋無垢な息子の犯行でない!」と思い捜査を続け、新な真実を知る廃品回収の男と会うが…
<ポイント>母親の息子を思う気持ちが、痛くて辛い。そして、知的障害の為に自分の取った行動の証明を自分でする事が難しくしんどい。見ている方は、真実を知りたくなるが、息子の事も怪しく見えてくる。エンディングでは、優しいシーンで終わるかのように現実逃避とでも言うか、見た後に心が重くなります。ただ単にイヤミスが見てみたい!と言う人より、親子愛とミステリーが好きな人向けです。全体的に暗く重くて何とも言えないストーリーです。今回の4作品の中で1番おすすめかもしれません!
パラサイト 簡単なあらすじとポイント
韓国映画でアカデミー脚本賞!「パラサイト 半地下の家族」韓国語タイトル「기생충」日本語の「寄生虫」の意味です。
ポン・ジュノ監督 上記の「母なる証明」と同じ監督です。世界で衝撃を受けた作品として韓国映画です。日本でも見た方も多いのではないでしょうか?
<あらすじ>韓国の半地下の家で暮らすキム家族。大学受験に失敗している長男ギウが友人に会い、家庭教師のを自分の代わりにしないかと持ち掛けられる。家庭教師を始める事になったギウが行った家は驚くほどの豪邸、パク家だった。それからギウはなんとか富豪の若妻を言いくるめて、自分の妹を美術の家庭教師、父親は運転手、そして、既に豪邸にはベテランの家政婦もいたがうまい事追い出して、自分の母親を家政婦として、キム家全員がこの豪邸のパク家に寄生始めます。ある日、パク家がキャンプに出掛けた間キム家は自分たちの家かの様に自由に飲み食いして楽しんでいました。激しく雨が降り出した頃、突然インターフォンが鳴った。キム家は突然の訪問者にソワソワするが、この前まで働いていた家政婦だった。「忘れ物をしたから取りに来たので入れてください」と。その忘れ物とは…
<ポイント>前半と後半のストリーの流れ方の違い!初めは面白く笑っていられるが、後半には水が流れるようにどんどんストーリーが展開していくところが面白いです。金持ちは金持ちのまま、貧乏は貧乏なままという、つらい現実を受け入れなければならなくなる辛いシーンが大雨で避難するシーンに表れています。エンディングでは、初見の人は「え?これは…?何?」っと見終わった後にちょっと考えてしまうはず。至る所にストーリーのヒントが用意されてあり、見た事ある人はなぜだか、もう1回見たくなる魅力がある映画です。イヤミスと言いながらの、前半のコメディーのようなストーリーからの後半…このギャップがある意味怖いのかも…。
この映画は捉え方が沢山あって面白いです。お金持ちだけど家の事が出来ない、無関心のパク家がキム家に寄生しているようにも見えますし、ストーリーそのままのキム家のパク家への寄生虫ぶりが面白かったり。考え出すと深い映画です。ポン・ジュノ監督さんは、母なる証明、パラサイトと、すごいなぁ~っと思います。
まとめ。そして注意。
勝手に、おすすめイヤミス映画4作品を紹介しました。韓国映画は、イヤミス上手!!!映画のクオリティが高いと思います。コメディーや、感動系もよい映画が沢山ありますが、ノワール、スプリット、様々なジャンルで映画のクオリティが凄いです。
今回は、あまりグロくないことを前提に4作品選びました。
沢山あるのですが今回この4作品中、2作品 母なる証明、寄生虫 はポン・ジュノ監督の映画です。ポン・ジュノ監督映画は重くて、少し残酷で見た後に考えさせられるものが多いです。それが魅力な映画を作るのが上手だと思います。
犯人は生首に聞け は、見ている人が少ないんじゃないかと思いピックアップしました。夜に見るのがおすすめです。
殺人者の記憶法 は、私は個人的にお気に入りの作品です。主演のソル・ギョングさんの長髪が好きなんですw そして、2つのエンディングがあり、2回楽しめると言うのが面白いです。
そして、ミステリーと、イヤミスを見る時には、なるべく予備知識がない状態で見た方が楽しめるはずなので、あらすじも簡単に書きました!そして、自身が映画を見て友達に見る事を勧める時にエンディングや、オチを言ってはいけません。言ったら、恐らくその友達は見ないでしょうw
何となく、楽しく笑いたい気分ではなく、重~い気分になりたい時にこの4作品、韓国映画を見て過ごしてみてくださいね!
日本映画とは違う、韓国映画のクオリティ、演技、ストーリー展開で楽しめると思います!
追加:こちらのイヤミスもおすすめ!でも日本で見れるかな??「容赦はしない」
では、またぁ~♪
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